HOME

弁護士紹介

吉川 幹司
吉川 幹司

弁護士

経歴

北海道大学工学部土木工学科卒業
神戸大学法学部法学研究科実務法律専攻卒業
司法研修所入所(第60期)
第二東京弁護士会に弁護士登録
弁護士法人匠総合法律事務所入所

主な取扱業務

建築紛争、マンション管理、近隣紛争、不動産取引関係一般、IT法務分野、知的財産法分野、倒産事件、家事事件、交通事故、契約法務、個人情報保護法に関する法務、製造物責任に関する法務、事業承継・相続、資産管理、企業法務一般(各種内部規定の作成、各種法人の設立・運営、株主総会対策)、金融法務(貸金業法等に係る法的アドバイスの提供、ファンドの組成、募集、運営等)等

執筆

【著書】
『建築工事請負契約における瑕疵担保責任と損害賠償の範囲』新日本法規(共著)
『耐震化の法律読本 法的リスクを回避するためのQ&A80』建築技術(共著)
『震災復興の法律的課題 岩手県・被災地行政から寄せられた法律相談事例』日刊岩手建設工業新聞社(共著)
『絶対トクする[土地・建物]の相続・税金・法律ガイド』建築知識(共著)
『住宅建築業・設計事務所・部材メーカーの説明義務と警告表示』新日本法規(共著)
『建築・法律トラブルらくらく回避マニュアル』建築知識(共著)
『建築設計・施工クレーム対応マニュアル』新日本法規(共著)
『工務店が知っておくべきマイナンバー法対応』(共著)
『省エネ住宅に取り組む工務店が気をつけたい落とし穴 法的観点から』建築技術(共著)
『建物漏水をめぐる法律実務』新日本法規(共著)
『民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響』大成出版社)(共著)

主な対応実績

【工事代金及び瑕疵を巡る建築関連紛争・業者と施主との間のトラブル】
設計者及び施工者が、代金額の相当性を争う施主に対して、工事代金等の支払を請求した調停事件(調停成立)
工事途中において請負契約が解除されたため、業者が、施主に対して、解除時までの出来高及び解除に伴う逸失利益を請求した訴訟事件(第一審及び控訴審全面勝訴)
工事代金の清算書作成後に、業者が、施主に対して、誤記により清算書から漏れていた工事代金を請求した訴訟事件(第一審和解成立)
業者の施主に対する請負代金請求訴訟事件(第一審調停成立)
工事途中に請負契約を解除され、後工事業者が建物を完成させた後、施主が、当初の施工業者に対して提起した損害賠償請求事件(第一審一部敗訴後和解成立)
業者が多数の瑕疵を主張する施主に対し工事残代金を請求した事案(第一審和解成立)
施主が、リフォーム工事を実施した業者に対し、同リフォーム工事の施工対象外の建物の不具合を理由に損害が発生したとして提起した損害賠償請求事件(第一審勝訴)
請負契約締結前、具体的な仕様の内容について確認が行われなかったことが説明義務に違反するとして、施主が施工者に対して説明義務違反に基づく損害賠償を請求した訴訟事件(第一審一部勝訴)
戸建住宅が不同沈下した事案において、施主が施工者に対し同住宅の建替費用相当額の損害賠償請求を行った訴訟事件(第一審和解成立)
宅地造成工事及び地盤へのパイル打設工事に瑕疵があるとして、施主が設計業者に対し、建物の建替費用相当額の請求を行った訴訟事件(第一審全面勝訴)
施主より多数の瑕疵が存在するとして損害賠償請求訴訟を提起された後、同訴訟で選任された鑑定人により不同沈下が発生しているとの鑑定結果が明らかにされた訴訟事件(第一審一部勝訴)
【業者間トラブル】
下請業者の元請業者に対する請負代金請求に対し、元請業者が別件の工事における下請業者の債務不履行を主張した訴訟事件(第一審和解成立)
下請業者から元請業者に対し、過大な工事代金額の請求が行われた交渉事件
木材を購入した買主が、問屋である売主に対して木材の引渡を請求した事件(第一審敗訴、控訴審勝訴)
下請業者の元請業者に対する工事代金請求に対し、元請業者は、下請業者の施工に瑕疵が存在するとして工事代金の支払を拒絶したため争いになった訴訟事件(第一審敗訴、控訴審和解成立)
【不動産売買を巡る案件】
業者と業者が購入した土地の隣地所有者との間の合意に関し、隣地所有者から同合意に基づく債務の不履行が主張された損害賠償請求訴訟事件(第一審全面勝訴−確定)
買主が、収益物件の不動産の売主に対して設備の瑕疵の補修等を請求した交渉事件(和解成立)
確認申請に記載された壁倍率よりも低い壁張率にて施工された建物を販売した業者が、買主より、補修費用を請求された調停事件(調停不成立後和解成立)
集合住宅である居室を購入した買主が、設備の不備を理由として、売主及び媒介者に対して損害賠償請求を行った訴訟事件(第一審和解成立)
不動産売買関連契約書類作成
【賃貸借契約を巡る案件】
賃貸借契約が解除された後、賃貸人が賃借人に対して原状回復費用等を請求した訴訟事件(第一審和解成立)
賃貸借契約終了後、賃借人が賃貸人に対して、敷金の返還を請求した訴訟事件(第一審和解成立)
駐車場敷地の所有者が駐車場経営者より駐車場の舗装費用の負担を請求された訴訟事件(第一審勝訴)
事業者たる賃借人が、賃貸ビルのオーナー及び賃貸借契約の仲介業者に対し、更新料及び更新事務手数料の返還請求をした事案(第一審勝訴、控訴審勝訴)
賃貸借契約終了後、賃借人が賃貸人に対し、原状回復費に充当された敷金の返還を請求した訴訟事件(第一審和解成立)
マンション居室の入居者が自殺をしたため、賃貸人が賃借人に対し損害賠償を請求した事案(交渉事件和解成立)
不動産賃貸借契約書類作成
【マンション関連紛争実績】
マンション管理組合と事業者・施工者等との間の瑕疵を巡る紛争代理
マンション管理組合と管理会社との間の大規模修繕等を巡る紛争代理
マンション管理業務における各種スキーム立案・契約書作成
マンション管理規約等作成
【知的財産業務取扱実績】
ライセンス契約(設計図書ライセンス契約、地図の著作物のライセンス契約、特許のライセンス契約、ノウハウライセンス契約)、意見書作成業務、知的財産権の譲渡契約、商標出願、商標出願への拒絶査定に対する意見書作成業務、不正競争防止法に関する交渉、ライセンス契約交渉、商標権侵害訴訟
販売する建物の商品名が相手方業者の有する商標権を侵害するとして、損害賠償請求等を求められた事件(第一審和解成立)
【IT関連業務取扱実績】
インターネット上での情報漏洩問題処理、インターネット上における名誉毀損的記載の削除請求、電子掲示板上の記載の発信者情報開示請求、ウェブページ製作・システム開発関連契約書類作成、プライバシーポリシー作成、ネットショップ開設支援業務(特商法に基づく表示)、クラウドファンディング支援業務
インターネット上での誹謗中傷を目的とした書き込みの削除を求めた事件
インターネット上での誹謗中傷を目的とした匿名での書き込みを行った者の特定を求めた事件
  • 【設計者及び施工者が、代金額の相当性を争う施主に対して、工事代金等の支払を請求した調停事件】調停成立
  •  新築住宅建築の後、業者が施主に対し、最終残代金の支払を請求するため、調停を申立てた事案。業者の代理人として調停を申立てた。なお、施主は、同調停事件の追行を弁護士に依頼していない。
     施主は、追加・変更工事が施工されているため、請求を受けている工事代金が相当な額であるか否かを判断できないが、同代金額が相当であることが理解できれば、直ちに工事代金を支払うと主張した。
     そこで、業者は、請求している工事代金が相当であることを確認するため、一覧表を作成し、追加・変更工事の内容を明らかにした。
     また、完成した建物の現地見分を行った際、業者は、建築士である調停委員に対して、適切に工事が施工されていることを説明した。
     その結果、調停委員は、施主に対して、本件建物が適切に施工されており、かつ、工事代金も相当であることを説明したため、施主は工事代金を支払うことに同意した。
     ただし、本件では、追加・変更工事の一部が、施主の明確な同意を得ずに、施工業者側の判断にて施工されていたことを理由に、一定程度減額された代金を施主が支払うことを内容として調停が成立している。
  • 【工事途中において請負契約が解除されたため、業者が、施主に対して、解除時までの出来高及び解除に伴う逸失利益を請求した訴訟事件】第一審及び控訴審全面勝訴
  •  工事途中において、施主が一方的に請負契約を解除したため、業者は、施主に対して、解除時までの出来高及び同解除に伴い被った損害である逸失利益の請求を行った事案。業者の代理人として訴訟を追行した。
     業者は、出来高一覧表を作成した上で、同出来高が相当であることを基礎付けるため、見積書、施工写真等を提出した。
     これに対して、施主は、業者の施工箇所には多数の不具合が存在しているので、業者が請求している出来高は認められない上に、業者は、施主の要望を受け入れずに工事を進めていたため請負契約を解除せざるを得なかったと主張した。
     そこで、業者は、工事途中において、施主より膨大な追加・変更工事の要望を受けたが、同要望に対しては、極めて誠実に対応していたことを具体的に反論した。
     また、施主の工事の不具合の主張は、施主が依頼した協力建築士の見解に基づくものであったことから、同建築士の証人尋問を行った際に、業者は、同建築士に対して質問を行うことで、同建築士が主張する不具合は、全て、同建築士の個人的見解であるにすぎず、一般的な見解ではないことを認めさせた。
     その結果、業者の請求する出来高及び逸失利益の全額を認める内容の判決が下された。
     なお、裁判所は、「本件契約に基づく工事を完成させられなかった以上、何らかの逸失利益が発生していることは当然であり、その程度につき代金額の17パーセントと見積もることに特段不自然さはない」として、請負契約代金総額の17%分の逸失利益相当額の損害賠償請求が認められると判示している。
  • 【工事代金の清算書作成後に、業者が、施主に対して、誤記により清算書から漏れていた工事代金を請求した訴訟事件】第一審和解成立
  •  新築建物の建築後、業者は、最終金の支払を請求するために工事代金の清算書を作成し、同清算書を施主に交付した。ところが、後日、同清算書に計上されていない工事代金が存在することが判明したため、業者は、施主に対して、同工事代金の請求を行った事案。業者の代理人として訴訟を追行した。
     施主は、業者が作成した清算書に記載されていない工事代金の請求は認められないと主張した。
     これに対して、業者は、施主に対して、誤記により一部の工事代金が清算書に計上されていなかったにすぎないことを説明し、工事代金の支払に応じるよう求めた。
     その結果、施主が、業者に対して、一定程度減額した工事代金を支払うことを内容として和解が成立した。
  • 【業者の施主に対する請負代金請求訴訟事件】第一審調停成立
  •  業者側の請負代金請求に対し、施主より、補修費額800万円程度の30箇所を超える瑕疵の主張がなされた事案。業者の原告訴訟代理人として訴訟を追行した。
     同訴訟事件において、施主が主張する瑕疵は、全て、施主の主観的判断に基づく瑕疵であるとの主張を行った。
     そして、瑕疵の有無を審理するため、建築士の調停委員関与の下、協議及び建物の現地見分等が行われた。
     その結果、建築士の調停委員より、施主が主張する瑕疵のうち、法的に瑕疵と評価できるものはほとんどなく、補修費用も、30万円程度しか必要ないとの意見が明らかにされたため、同意見を前提に、施主が業者に請負代金を支払う旨の内容による調停が成立した。
  • 【工事途中に請負契約を解除され、後工事業者が建物を完成させた後、施主が、当初の施工業者に対して提起した損害賠償請求事件】第一審一部敗訴後和解成立
  •  工事途中に請負契約が合意解除された後、施工した工事に不具合が存在し、かつ、工期が遅延したことを理由として、施主が工事業者に対して損害賠償請求を行った事案。業者の代理人として訴訟を追行した。
     同事件において、施主は、合意解除当時において既に工期が遅延しており、業者が施工した基礎等に不具合が存在したため、後工事業者に多額の補修費用を支払う必要があった等と主張した。
     これに対し、業者は、工事途中に請負契約が解除されている本件では、解除時点において最終的に工期が遅延するか否か明らかではない以上、工期遅延は認められないと主張した。また、解除時点において工程表記載の工程より遅延していたことが問題となるとしても、同遅延は、施主より多数の変更工事の要望がなされた結果にすぎないと主張した。
     加えて、業者は、施主が主張する瑕疵の主張に対して、工事途中に請負契約が解除されているため、業者が工事を完成させたわけではない以上、完成を前提とする瑕疵は問題とならない上に、施主が主張する不具合は、全て、合意内容及び建築基準法等の客観的な基準に違反するものではないため、何らの不具合も認められないと主張した。
     その上で、業者は、上記主張を立証するため、図面及び工程表等を提出した上で、合意解除当時までに施工された工事は、合意内容とおりの工事であること示し、また、業者の設計図は法令等の客観的な基準に合致する合理的なものであり、後工事業者が行った補修工事は、後工事業者の独自の見解に基づいて行われたものにすぎないことを明らかにした。
     その結果、裁判所より、施主の工期遅延及び工事の不具合を理由とする損害賠償請求を認めないとの内容の判決が下された。
     ただし、裁判所は、業者に対し、合意解除時の清算の際に漏れていたと考えられる工事代金額の一部の支払を認めたため、その後、当事者間において、業者が施主に対し、施主の請求額の10分の1以下の解決金を支払う内容にて和解が成立している。
  • 【業者が多数の瑕疵を主張する施主に対し工事残代金を請求した事案】第一審和解成立
  •  業者が施主に対し、工事残代金を請求した事案。業者の代理人として訴訟を追行した。なお、施主は、訴訟追行を弁護士に依頼していない。
     施主は、独自の見解に基づき、多量の証拠を提出した上で、多数の不具合の主張を行った。
     これに対し、業者は、訴訟の争点を早期に明確にした上で、訴訟の長期化を防ぐため、業者において施主の主張を整理し一覧表を作成した上で、施主の主張を限定した。
     その上で、業者は、施主に対し、一覧表記載の瑕疵が施主の主張する瑕疵の全てであり、これ以上瑕疵の主張は行わないことを確認した上で、現地見分を行い、その場で、施主に対し、施主が主張している瑕疵は、経年変化に基づくものであるか、もしくは、施工精度上の許容範囲のものであることを説明した。
     その結果、施主が、業者の請求の大部分を認める内容にて和解が成立した。
  • 【施主が、リフォーム工事を実施した業者に対し、同リフォーム工事の施工対象外の建物の不具合を理由に損害が発生したとして提起した損害賠償請求事件】第一審勝訴
  •  床ないし壁紙の貼り替え等のリフォーム工事が実施された後、リフォーム工事対象外の建物の不具合を理由として建物内に雨水が浸入した結果、リフォーム施工箇所にカビ等が発生したため、施主が、リフォーム工事業者に対して損害賠償請求を行った事案。リフォーム工事業者の代理人として訴訟を追行した。
     同事件において、施主は、リフォーム対象外の不具合についてもリフォーム工事業者が瑕疵担保責任を負うこと、工事中に、リフォーム工事業者が施工対象外の不具合を認識していた以上何らかの対処を実施すべきであったこと等を主張した。
     これに対し、リフォーム工事業者は、瑕疵担保責任はあくまで施工箇所に対してのみ負担するものであること、工事中に、リフォーム工事業者が施主に対し、施工対象外の建物の不具合の補修等を提案していたにもかかわらず、施主より補修等を拒絶された以上、それ以上に何らの対処も実施する義務を負わないことは明らかであること等を主張した。
     その上で、リフォーム工事業者は、上記主張を立証するため、施主に対して補修工事を提案したことを示す提案書等を提出した上で、リフォーム工事現場担当者の証人尋問を実施し、リフォーム工事業者が施主に対して誠実に対応していたことを明らかにした。
     その結果、裁判所より、施主の損害賠償請求を認めないとの内容の判決が下された。
  • 【請負契約締結前、具体的な仕様の内容について確認が行われなかったことが説明義務に違反するとして、施主が施工者に対して説明義務違反に基づく損害賠償を請求した訴訟事件】第一審一部勝訴
  •  戸建住宅建築を目的とする請負契約締結前、施工者は、施主より、給水配管の仕様に関して特段の要望を受けなかった。そのため、施工者は、オプション工事であるサヤ管ヘッダー方式ではない給水配管の仕様を前提とした配管設備図を作成し、同図面を契約内容として施主との間で請負契約を締結した。ところが、建物完成後、施主は、サヤ管ヘッダー方式による工事が施工されるべきであったし、少なくとも、事前に、サヤ管ヘッダー方式による工事を実施するか否かの意思確認が行われるべきであったとして、施工者に対する損害賠償請求を内容とする訴訟を提起した。本事案において、当方は、施工者の代理人として訴訟を追行した。なお、本件では、その他に問題となっていた給水管からの水漏れについては、瑕疵が認められている。
     まず、当方は、契約書添付の設計図書である配管設備図が契約内容を示すものであるところ、同図面はサヤ管ヘッダー方式を前提としていない以上は、現状の施工に瑕疵は存在しないと主張した。そして、裁判所も、当方の主張とおり、サヤ管ヘッダー方式による施工が行われていないとしても瑕疵は認められないと判断した。
     瑕疵に該当しないことを前提としても、相手方は、施工者より交付を受けたパンフレットの記載や展示場でサヤ管ヘッダー方式の紹介を受けたこと等により、当然にサヤ管ヘッダー方式にて施工されるものと誤信したと述べた上で、このような誤信を防ぐために、施工者がサヤ管ヘッダー方式による施工が採用されていないことを説明する必要があったと主張した。これに対し、当方は、住宅の仕様は多岐にわたるため、相手方より明示の要望を受けていない仕様についてまで説明をする法的義務など存在しない等と反論した。
     そして、裁判所は、具体的な仕様がオプション工事に該当するか否かを判断するために必ずしも専門的知識が必要となるわけではないし、契約締結時に施工者が適切に説明をしていれば、施主において、サヤ管ヘッダー方式が契約内容に含まれていると誤信していたことに気付くことができたとしても、「それは結果からみてそうだ」というにすぎないと判示した。その上で、裁判所は、サヤ管ヘッダー方式が、「本件契約の内容になると殊更誤信させるようなパンフレットの記載等がない中、被告の側で、原告がオプションが契約内容に含まれると誤解していないかを逐一確認すべき義務があるとまではいえない」として、施工者が積極的に施主を誤信させるような行為を行なっていない限り、契約内容として確定された仕様を逐一確認すべき義務までは負わない旨を判示し、サヤ管ヘッダー方式に関する施主の請求を棄却した。      
  • 【戸建住宅が不同沈下した事案において、施主が施工者に対し同住宅の建替費用相当額の損害賠償請求を行った訴訟事件】第一審和解成立
  •  木造戸建住宅(本件建物)において、最大で、床に1000分の7程度の傾斜が発生したことから、施主は、本件建物を補修するためには建物を建て替えざるを得ないとして、施工者に対し、当初の請負契約代金を超過する建替費用相当額の損害賠償請求を行った。なお、施主は、本件建物が沈下した理由として、建物基礎に鉄筋が存在しないこと、基礎の形状が不整形であること等を主張していた。本事案において、当方は、施工者側の代理人として訴訟を追行した。
     まず、当方は、本件建物の現状の施工状況の確認が必要であると主張した上で、基礎の形状等の確認を実施した。その上で、当方は、現実の基礎の形状を前提として構造計算を実施し、同計算の結果、本件建物の基礎それ自体は、本件建物の荷重を支えるのに十分な強度を保持していることを明らかにした。また、当方は、本件建物建築当時においては無筋のコンクリート基礎の施工も認められていたこと等を説明した上で、本件建物の基礎の施工が、本件建物建築当時の建築基準関連法令上の仕様に合致していると主張した。
     その上で、当方は、沈下修正工事の専門業者作成の報告書等を提出の上で、現に発生している建物の沈下は、コンクリート短柱を使用して行うアンダーピーニング工法による補修工事で修正可能であることを明らかにした。
     その結果、最終的に、施工者が施主に対し、建替費用ではなく、アンダーピーニング工法による補修工事の費用相当額の解決金を支払うことを内容とする和解が成立した。
  • 【宅地造成工事及び地盤へのパイル打設工事に瑕疵があるとして、施主が設計業者に対し、建物の建替費用相当額の請求を行った訴訟事件】第一審全面勝訴
  •  宅地造成工事を実施した上で戸建住宅(本件建物)の建築が行われたが、宅地造成工事で施工された擁壁が行政の規定する仕様とおりに施工されていなかったため、宅地造成工事に関して検査済証の交付が受けられず、かつ、造成工事後に打設されたRCパイル先端が擁壁底盤上部に載るとの施工が行われた。また、RCパイルを打設した業者及び本件建物を建築した業者は、工事完成後直ぐに倒産した。そのため、施主は、造成工事に関する検査済証の交付を受けるには、本件建物を解体の上で、地盤よりRCパイルを抜き、造成工事をやり直す必要があるとして、本件建物の設計業者に対し、建物建替費用相当額の損害賠償請求を行った。本事案において、当方は、設計業者の代理人として訴訟を追行した。
     当初、訴訟では、設計業者は、施主より、造成工事及び本件建物建築工事の両工事に関し、設計監理業務の依頼を受けているとして、設計業者の債務不履行責任が認められることを前提に審理が進められていた。
     しかし、現実には、設計業者は、施主より、本件建物に関する設計監理業務の発注を受けたにすぎず、施主は、設計業者に対し、少額の費用の支払しか行っていなかった(造成工事やRCパイル打設工事に関し、施主より、直接には何らの業務の発注も受けていなかった。)。造成工事の設計については、施主は、造成工事の施工業者に対して設計・施工の両方を発注しており、設計業者は、造成工事の施工業者より造成工事の設計業務の依頼を受けた下請業者にすぎなかった(加えて、現に造成工事の設計業務を実施したのは、設計業者より依頼を受けた孫請業者であった。)。また、RCパイルの打設に関し、設計業者は、施主の要望を受けて、地盤改良を実施することが可能な業者を紹介したにすぎず、RCパイルの設計・施工には全く関与していなかった。
     なお、施主と設計業者との間の契約の内容を明確に示す契約書等の書面が存在しなかった。
     そこで、当方は、本事案において、誰から誰に対して費用が支払われているのか等の事情を明らかにした上で、関係者を証人とする証人尋問を実施し、設計業者は、施主より、本件建物に関する設計監理業務の発注しか受けていないことを明らかにした。
     その結果、裁判所は、施主と設計業者との間には、造成工事及びRCパイル打設工事に関する契約関係は存在しないと認定し、施主の設計業者に対する請求を棄却した。        
  • 【施主より多数の瑕疵が存在するとして損害賠償請求訴訟を提起された後、同訴訟で選任された鑑定人により不同沈下が発生しているとの鑑定結果が明らかにされた訴訟事件】第一審一部勝訴
  •  当方は、施工会社の代理人として施主から提起された損害賠償請求訴訟につき対応した。
     施主は、多数の瑕疵が存在すると主張していたところ、床の傾斜の存在も瑕疵として主張していた。そして、施主の申し立てた鑑定の結果、不同沈下が発生しているためアンダーピーニング工法による沈下修正工事が必要であるとの鑑定意見が明らかにされた。これに対し、当方は、床の傾斜の原因は当初の施工誤差及び木材の不可避的な変形・たわみ等にあると主張した上で、沈下修正工事を実施しなくても、床不陸調整補修工事により床傾斜の補修が可能であると主張した。
     その後、再度の鑑定が実施された結果、不同沈下が発生しているとの鑑定意見は撤回された上で、床の張り替え等の不陸調整工事により床の傾斜を補修することが可能であるとの鑑定意見が明らかにされた。
     裁判所は、施主の請求金額765万円のうち、床の不陸調整工事及び未施工であることに争いがなかった基礎根入れ確保のための土入工事等の費用等相当額約150万円の損害賠償請求を認容し、その余の請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
     その他、本件訴訟においては、床の鋼製束がメーカー施工マニュアルとおりに千鳥に配置し施工されていないことが瑕疵である旨施主が主張していたが、裁判所は、「千鳥に配置されていない箇所が部分的にあることは当事者間に争いがない。しかし、本件全証拠によっても、それにより不具合が生じていることを認めることはできない。したがって、鋼製束が千鳥に配置されていないことは、瑕疵とはいえない」と判断している。
     また、施主は、瑕疵ある施工をしたこと等が施工会社の不法行為であるとして慰謝料、建築士調査費用及び弁護士費用の請求をしていたが、裁判所は、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵が存在するとは判断できないこと、瑕疵による財産的損害について賠償を受けることでは回復できない損害が施主に生じたと解することもできないこと、本件訴訟は、通常の契約責任を問うものであること等を理由に、施工会社が不法行為責任又は不法行為に準じるような責任を負うものではないとして、慰謝料、建築士調査費用及び弁護士費用の請求を棄却した。
     なお、施工者の不法行為責任については、最高裁平成19年7月6日判決及び最高裁平成23年7月21日判決において、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」が存在する場合に施工者の不法行為責任が認められ得るところ、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵とは、居住者等の生命、身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい、建物の瑕疵が、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず、当該瑕疵の性質に鑑み、これを放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には、当該瑕疵は、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当すると解するのが相当である」旨判示されている。        
  • 【下請業者の元請業者に対する工事代金請求に対し、元請業者は、下請業者の施工に瑕疵が存在するとして工事代金の支払を拒絶したため争いになった訴訟事件】第一審敗訴、控訴審和解成立
  •  鉄骨の戸建住宅建築において、設計図書に記載された高さの天井高が確保されなかった、鉄骨が不必要に露出していた等の瑕疵が存在したとの事案につき、顱鵬疾蘇藏伴圓、元請負業者に対して工事残代金を請求したのに対し、髻妨祇蘇藏伴圓、下請業者に対して、瑕疵の補償費用相当額の損害及び施主に対して支払った遅延損害金等の請求を行った事件である。本事案において、当方は、元請業者の代理人として訴訟を追行した。
     第一審の裁判所は、元請業者が、信義則上、施工図をチェックするなど適切な方法により設計意図を補完するとともに、工事監理と同様、その者の責任において、工事を設計図書と照合する義務等を負っていたと判断した上で、瑕疵の補修費用等の損害につき、下請業者側が2から3割程度の限度で責任を負い、元請業者側が7から8割程度の限度で責任を負うのが相当であると認定した。
     しかし、現実には、元請業者は、鉄骨造建物の建築を熟知していなかったことから、自らを専門業者であるとアピールしていた下請業者に発注したとの経緯が存在する上に、元請業者が施工図を作成するとの取り決めも存在しなかった。また、建築実務上、元請業者よりも実際に施工をする下請業者において専門的な知識を有している場合が多い上に、法的にも、元請業者が工事監理業務に類似した業務を実施する義務を負うとは直ちに判断することもできなかった。そのため、元請業者は、第一審の判決を不服として控訴を提起した。
     控訴審においては、第一審裁判所が却下したため認められなかった関係者を証人とする証人尋問も実施された。そして、控訴審裁判所は、第一審判決は誤っており、元請業者が7から8割程度もの責任を負うとは判断できないとの心証を明らかにした。
     その結果、最終的に、瑕疵に基づく損害に関し、元請業者が4割程度の責任を負うことを前提とする内容の和解が成立した。        
  • 【下請業者から元請業者に対し、過大な工事代金額の請求が行われた交渉事件】
  •  元請業者(A社)が下請業者(B社)に対し、B社が行った追加工事の代金額の算定根拠を明らかにするよう求めていたところ、B社は、A社に対し、同各工事金額の根拠を明らかにしないまま、強硬に、代金額を請求した事案。A社の代理人として交渉を行った。
     まず、B社に対し、B社が請求する工事代金の算定根拠となる数量、単価を明らかにするよう求めた。
     その上で、本件建物の実施図面から必要となる数量を算出することで、B社が過大に請求していた工事項目を明らかにした。 また、本件建物の当初図面と見積書を比較検討した上で、本体工事に含まれており、単にB社が見積り落としを行ったに過ぎない工事項目を明らかにした。
    その結果、当初のB社の請求を大幅に減額することに成功した。        
  • 【木材を購入した買主が、問屋である売主に対して木材の引渡を請求した事件】第一審敗訴、控訴審勝訴
  •  木材市場にて木材を購入した買主は、問屋である木材の売主に対して代金を支払ったが、その後、現実に木材の調達を行う委託者が倒産した結果、問屋である売主が木材を引き渡さなかったため、買主が売主に対して木材の引渡しを求めた事案。買主の代理人として訴訟を追行した。なお、ここでいう問屋とは、委託者のために、売主との間で木材の販売をする者のことであり、木材の調達等は全て委託者が行うが、売買契約自体は、問屋である売主と買主との間で成立することになる。
     問屋である売主は、委託者が調達した木材が木材市場に保管されていたにもかかわらず、基本契約において定められた期間内に買主が木材の引渡しを受けていない上に、委託者が倒産したため木材引渡請求権は履行不能により消滅しているから、買主の木材引渡請求が認められないことは明らかであると主張した。
     これに対し、買主は、木材市場に購入した木材の入数とおりに梱包された木材は存在していなかった以上は、買主が購入したものとして分離・特定された木材は存在していないし、同木材は没個性的なものであり容易に調達が可能であるため委託者が倒産したからといって木材の引渡請求権が履行不能になることはなく、かつ、購入した木材が調達されていない以上はそもそも基本契約上に定められた期間内に木材の引渡しを受けることは不可能であったと主張した。
     第一審判決は、基本契約において木材の引渡期間が規定されている以上は、同規定をもって、その後の各売買契約における木材が特定されているといえるとした上で、同期間内に引渡しを受けなかった以上は、買主の木材引渡請求は認められないとした。
     第一審判決に対し、買主は、控訴を提起し、木材の調達が行われていない基本契約締結時においてその後に調達される木材が特定することはなく、また、基本契約にて定められた期間内に木材の引渡しを受けなかったからといって、そもそも木材が調達されていないのであれば木材の引渡しを受けること自体不可能である以上、期間内に引渡しを受けなかったことをもって買主の木材引渡請求権が消滅することはないと主張しました。
     これに対し、控訴審判決は、委託者において買主が購入した木材としての木材を分離し梱包した事実は認められないため、基本契約に定める期間内に買主が木材の引渡しを受けていないとしても木材引渡請求権が消滅することはない等として、買主の主張を全面的に認め、第一審判決を取り消し、買主の請求を認めた。
  • 【下請業者の元請業者に対する工事代金請求に対し、元請業者は、下請業者の施工に瑕疵が存在するとして工事代金の支払を拒絶したため争いになった訴訟事件】第一審敗訴、控訴審和解成立
  •  鉄骨の戸建住宅建築において、設計図書に記載された高さの天井高が確保されなかった、鉄骨が不必要に露出していた等の瑕疵が存在したとの事案につき、顱鵬疾蘇藏伴圓、元請負業者に対して工事残代金を請求したのに対し、髻妨祇蘇藏伴圓、下請業者に対して、瑕疵の補償費用相当額の損害及び施主に対して支払った遅延損害金等の請求を行った事件である。本事案において、当方は、元請業者の代理人として訴訟を追行した。
     第一審の裁判所は、元請業者が、信義則上、施工図をチェックするなど適切な方法により設計意図を補完するとともに、工事監理と同様、その者の責任において、工事を設計図書と照合する義務等を負っていたと判断した上で、瑕疵の補修費用等の損害につき、下請業者側が2から3割程度の限度で責任を負い、元請業者側が7から8割程度の限度で責任を負うのが相当であると認定した。
     しかし、現実には、元請業者は、鉄骨造建物の建築を熟知していなかったことから、自らを専門業者であるとアピールしていた下請業者に発注したとの経緯が存在する上に、元請業者が施工図を作成するとの取り決めも存在しなかった。また、建築実務上、元請業者よりも実際に施工をする下請業者において専門的な知識を有している場合が多い上に、法的にも、元請業者が工事監理業務に類似した業務を実施する義務を負うとは直ちに判断することもできなかった。そのため、元請業者は、第一審の判決を不服として控訴を提起した。
     控訴審においては、第一審裁判所が却下したため認められなかった関係者を証人とする証人尋問も実施された。そして、控訴審裁判所は、第一審判決は誤っており、元請業者が7から8割程度もの責任を負うとは判断できないとの心証を明らかにした。
     その結果、最終的に、瑕疵に基づく損害に関し、元請業者が4割程度の責任を負うことを前提とする内容の和解が成立した。
  • 【業者と業者が購入した土地の隣地所有者との間の合意に関し、隣地所有者から同合意に基づく債務の不履行が主張された損害賠償請求訴訟事件】第一審全面勝訴−確定
  •  建売住宅の販売等を業とする業者は、購入した土地(本件土地)の隣地所有者との間で、筆界確認を行う際、本件土地内にゴミ置場を設置する旨の覚書(本件覚書)を締結したところ、隣地所有者が業者に対し、本件土地と隣地に跨るゴミ置場の設置の要求及び損害賠償請求等を行った事案。業者の被告訴訟代理人として訴訟を追行した。
     本件覚書の文言からは、業者がどのような義務を負担することになるのか必ずしも明らかではなかったため、本件覚書締結に至るまでの当事者間の一連のやり取りに関して詳細な主張を行った。
     その結果、裁判所は、当事者間の一連の交渉経緯を考慮すると、本件覚書では、業者が本件土地上に建売住宅を建設することを条件に、業者がゴミ置き場設置の義務を負うと認定した上で、本件では、業者が本件土地上に建売住宅を建設することなく本件土地を転売していたため、業者は本件覚書により何らの義務を負わないとして、隣地所有者の請求を全面的に棄却した。
  • 【買主が、収益物件の不動産の売主に対して設備の瑕疵の補修等を請求した交渉事件】和解成立
  •  収益物件たるマンションを購入した買主が、売主に対し、マンションに早急に補修を必要とする設備の不具合が存在することを理由として、同不具合の補修を求めた事案。
     買主の代理人として交渉を行った。
     買主は、売主、マンションの媒介業者、管理業者及び補修業者を集め、マンションの原状の確認を行い、売主らに対して、早急に補修を行う必要があることを認識させた。
     その上で、買主は、売主に対し、収益物件の性質上、所有者である買主が早急に補修を行わない場合には、設備の不具合により損害を受けたマンション居住者より責任追及をされるおそれがあることを訴えた上で、売主が早急に補修に着手しない場合には、売買契約を解除せざるを得ないと主張した。
     その結果、売主及び媒介業者が補修費用を負担し補修工事を行うとの内容による和解が成立した。
  • 【確認申請に記載された壁倍率よりも低い壁張率にて施工された建物を販売した業者が、買主より、補修費用を請求された調停事件】調停不成立後和解成立
  •  建物の施工時に、誤った構造用合板が納品された結果、業者が販売した建物は、確認申請において予定されていたよりも低い壁倍率を有する建物であったため、業者は、ビスの増し打ち等の補修工事を行うことは認めていた。
     これに対し、買主が業者に対し、耐力壁ではない壁へのビスの増し打ち及び何らの不具合も存在しない天井へのビスの増し打ち等を要求した上で、多額の補修費用を請求した事案。業者の代理人として、調停事件の追行及びその後の交渉を行った。
     業者は、買主の理解を得るべく、耐力壁の異議、壁倍率の計算方法を、時間をかけて説明した上で、買主が要求している補修は全く不要であると主張した。
     しかし、買主の理解を得ることが困難であったため、調停は不成立となった。
     その後、業者は、買主より、訴訟提起を行う旨の連絡を受けていたが、買主の理解を促すべく、引き続き交渉を継続した結果、裁判外にて、業者が提案している補修方法を買主が受け入れ、同補修方法の補修費用を業者が買主に支払うとの内容にて和解が成立した。
  • 【集合住宅である居室を購入した買主が、設備の不備を理由として、売主及び媒介者に対して損害賠償請求を行った訴訟事件】第一審和解成立
  •  集合住宅である居室を購入した買主が、売買契約締結時に交付を受けた設備表に記載された一部の設備が不存在であることを理由に、売主及び媒介業者に対し損害賠償請求を行った事案。売主の代理人として訴訟を追行した。なお、本件では、設備表記載の設備の不存在以外に、買主より、多数の不具合の主張が行われていた。
     売主は、買主が要求している設備は、設備表には記載されていない設備であること等を理由として、そもそも、同設備を備えた居室を引き渡す義務を負わないと主張していた。
     ただし、同設備表の記載は、多義的であったため、買主が主張する設備が記載されていると解釈される可能性も存在した。
     そこで、売主は、本件居室の調査を行った上で、買主が要求する設備を備え付けるために必要な費用を算出し、買主が主張していた費用は過大であることを明らかにした。
     また、売主は、専門業者である媒介業者に媒介を依頼した上で売買契約を締結しているにもかかわらず、本件紛争が発生した以上は、仮に、売主が何らかの責任を負う場合には、売主は媒介業者に対して責任追及をせざるを得ないと主張した。
     その結果、買主に対して、買主の請求額の7分の1程度の和解金の3割を売主が支払い、残り7割を媒介業者が支払うとの内容による和解が成立した。
  • 【賃貸借契約が解除された後、賃貸人が賃借人に対して原状回復費用等を請求した訴訟事件】第一審和解成立
  •  店舗を借り受けて営業していた賃借人が、店舗の原状回復を全く行わないまま退去したため、賃貸人は、賃借人に対して、原状回復費用等を請求した事案。賃貸人の代理人として訴訟を追行した。
     賃借人は、経年劣化等を考慮した場合、賃貸人が請求している原状回復費用は認められない上に、店舗にて水漏れが発生していたため損害を被っている等と主張した。
     これに対して、賃貸人は、賃貸借契約の契約書の条項の解釈から、経年劣化箇所の復旧も含めて賃借人が原状回復費用を負担する義務を負うと主張した。
     また、賃借人が水漏れにより損害を被ったとの主張に対して、賃貸人は、確かに、水漏れは発生していたが、同水漏れに対して賃貸人が修繕義務を怠ったとの事実は存在しない旨具体的に主張した上で、そもそも、水漏れにより賃借人が損害を被ったとの事実は存在しないと主張した。
     さらに、賃貸人は、賃借人が原状回復義務を懈怠し続けた結果、同居室を第三者に賃貸することができず、結果、賃料相当額の損害を被った旨主張した上で、同損害を請求するために請求を拡張した。
     その結果、賃借人が賃貸人に対して、賃貸人が請求していた原状回復費以上の額の解決金を支払うとの内容により和解が成立した。
  • 【賃貸借契約終了後、賃借人が賃貸人に対して、敷金の返還を請求した訴訟事件】第一審和解成立
  •  賃貸借契約が終了したにもかかわらず、賃貸人は、多額の原状回復費用が必要となったと主張して敷金を返還しなかったため、賃借人が賃貸人に対して、敷金の返還を請求した事案。賃借人の代理人として訴訟を追行した。
     賃貸人は、賃借人が退去後に、床に無数の穴が空いていた等の全く事実と異なる主張を行っていた。
     そのため、賃借人は、賃貸人の主張を全面的に否認した上で、賃貸人の主張の根拠を具体的に明らかにするよう強く求めた。
     その結果、賃貸人は、敷金の返還に同意したため、和解が成立した。
  • 【駐車場敷地の所有者が駐車場経営者より駐車場の舗装費用の負担を請求された訴訟事件】第一審勝訴
  •  駐車場敷地の所有者が、同駐車場の経営者より、仮に、駐車場の収益が発生しなかった場合、舗装工事費用を駐車場敷地所有者が負担するとの内容による立替払合意が存在することを理由として、舗装費用の負担を要求された事案。駐車場敷地所有者の代理人として訴訟を追行した。
     駐車場経営者は、駐車場敷地所有者との間で舗装工事費用の負担に関する合意をした後、舗装工事を行ったが、駐車場の収益が上がらず、舗装工事費用の負担を余儀なくされていると主張した。
     これに対し、駐車場敷地所有者は、単に敷地を提供しているにすぎず、駐車場経営には、一切、関与していない以上は、駐車場敷地所有者が駐車場の舗装工事費用を負担する内容の合意を行うはずはないことを主張した。
     その上で、駐車場敷地所有者は、駐車場の利用状況を撮影した写真、定期的に駐車場を利用している団体が存在することを示す資料及び駐車場経営者との間で継続的な利用契約を締結している他業者が存在することを示す資料等を提出することで、駐車場の客観的な利用状況を明らかにし、そもそも、舗装工事施工後において、駐車場の収益が下がったとの事実は存在しないと主張した。
     その結果、裁判所は、舗装工事費用の負担をするとの合意は存在しないことを認めた上で、駐車場経営者の請求を棄却した。
  • 【事業者たる賃借人が、賃貸ビルのオーナー及び賃貸借契約の仲介業者に対し、更新料及び更新事務手数料の返還請求をした事案】第一審勝訴、控訴審勝訴
  •  賃貸ビルを賃借していた事業者たる賃借人は、同賃貸ビルのオーナー及び賃貸借契約の仲介業者に対し、更新料及び更新事務手数料を請求した事案。オーナー及び仲介業者の代理人として訴訟を追行した。
     賃借人は、更新料及び更新手数料の支払は何らの法的根拠もないし、同支払いが民法第90条、借地借家法第30条及び消費者契約法第10条により無効である等と主張した。
     これに対し、オーナー及び仲介業者は、更新料及び更新手数料の支払は、賃貸借契約書及び更新契約書に明確に記載されているため、同支払が当事者間の合意との明確な根拠に基づくものであり、同更新料及び更新手数料を支払う旨の合意が民法第90条及び借地借家法の規定により無効となることを基礎付ける事実は一切存在せず、かつ、賃借人が自らの事業を実施するために賃貸借契約を締結している以上、そもそも賃借人は消費者ではないから消費者契約法は適用されないと主張した。
     裁判所は第一審の判決において、オーナー及び仲介業者側の主張を全面的に認めた上で、更新料及び更新手数料の支払いは当事者間の合意に基づくものであって、同合意に基づく金員の授受に反社会的側面はうかがえず、借地借家法第3章第1節の各条文が更新料及び更新手数料の支払いを禁止しているともいえない上に、同合意に基づく金員の授受が消費者契約法第10条の定める消費者(賃借人)の利益を一方的に害するとは認められないとして、賃借人の請求を棄却した(なお、同判決は、賃借人が消費者契約法第2条1項にいう消費者に該当すること自体疑問であるとしている。)。
     第一審判決に対し、賃借人は控訴を提起したが、控訴審判決は、更新料及び更新手数料の支払いは当事者間の合意という明確な法的根拠に基づくものである、同合意が民法第90条に違反するとみる余地はない、同合意が借地借家法による建物賃貸借の存続保証の趣旨に反した賃借人に不利なものとみることはできない、賃借人が消費者契約法の規定する消費者に該当すると認めることはできないとして、賃借人の控訴を棄却した。
  • 【賃貸借契約終了後、賃借人が賃貸人に対し、原状回復費に充当された敷金の返還を請求した訴訟事件】第一審和解成立
  •  賃貸借契約終了時、賃貸人及び賃借人が立ち会った上で、賃貸の対象となっていた居室(本件居室)で原状回復が必要な箇所の確認が行われた。そして、賃借人は賃貸人に対して敷金を支払っていたが、同敷金は、上記確認に基づき実施された原状回復の費用に充当された。ところが、賃借人は、賃貸人が実施した原状回復は認められないとして、賃貸人に対し、敷金の返還を請求した。本事案において、当方は、賃貸人の代理人として訴訟を追行した。
     当初、賃借人は、原状回復の対象となった床材や壁クロスの疵は存在しないなどと主張していた。そのため、当方は、原状回復工事実施前に撮影していた写真や動画を証拠として提出し、疵が存在していたことを明らかにした。また、床材については、床材張替前の既存床材が一部保管されていたため、当方は、同床材を裁判所に持参した上で、床に存在する疵の状況を示した。
     その後、賃借人は、床材や壁クロスに疵が存在すること自体は認めるに至ったが、本件居室の床材等は、安価な材であって極めて疵がつきやすいものであることからすれば、発生した疵等は通常の使用に伴う結果にすぎないと主張するに至った。そのため、当方は、本件居室の床材と全く同様の床材を利用して、同床材に固いものを落下させたり、ある程度力を入れて硬いもので擦ったりするなどの実験を実施した。その上で、当方は、実験状況を撮影した動画等を証拠として提出し、本件居室の床材には簡単には疵がつかないことを明らかにした。
     最終的に、裁判所からの説得もあって、賃借人は、自らの請求を全面的に放棄することに同意をしたため、賃借人による請求放棄を内容とする和解が成立した。
  • 【マンション居室の入居者が自殺をしたため、賃貸人が賃借人に対し損害賠償を請求した事案】交渉事件和解成立
  •  マンション居室(本件居室)の賃借人は、賃貸人の承諾を得た上で、第三者である入居者に本件居室を利用させていた。ところが、入居者が本件居室内で自殺したため、賃貸人は、賃借人に対し、本件居室内にて自殺との事故が発生した以上は、今後、低額な家賃でしか本件居室を貸し渡すことができないとして、逸失利益(自殺がなければ本来得られた利益)相当額として多額の損害賠償請求を行った。本事案において、当方は、賃借人側の代理人として交渉を行った。
     裁判例上、賃借人は、賃貸人に損害を与えないように配慮する善管注意義務を負うため、自殺した場合には、善管注意義務に違反し、逸失利益相当額の損害賠償義務を負うものとされている。
     これに対し、本件では、自殺したのが賃借人ではない入居者であるため、当方は、賃借人において、入居者が自殺しないように配慮すべき義務までは負わないと主張した。ただし、無断転貸の転借人が自殺した事案ではあるが、賃借人の負う善管注意義務には、「居住者が当該物件内部において自殺しないように配慮することもその内容に含まれるものと見るのが相当である」とする裁判例も存在する(東京地判平成22年9月2日判時2093号87頁)。そのため、当方は、本件の早期解決を重視して、一定額の解決金の支払には応じた。
     もっとも、相手方は、高額な損害を主張していたため、当方は、過去の裁判例を調査し同調査結果を根拠として、本事案における逸失利益は相手方が主張する金額より遥かに低額であると主張した(逸失利益の額は、自殺の態様及び賃貸物件としての流動性がどの程度認められるか等の様々な事情に基づき決定される。)。なお、逸失利益の有無につき判断した裁判例では、自殺事故が発生した後に新たな賃借人が入居すれば、その後に別の入居者に賃貸する際には賃料が減額することはないこと、自殺事故発生から約2年程度が経過した後は自殺を原因として賃料が減額することはないこと等を前提としていることが多い。
     最終的に、相手方が当初請求していた金額の半額以下の支払を行うことを内容とする和解が成立した。
     なお、不動産取引においては、本件のように、従前に自殺・殺人等の事故が存在したこと自体が、嫌悪すべき歴史的背景に起因する心理的瑕疵であると評価される場合がある。ただし、自殺・殺人とは異なり、自然死等にて人が死ぬということ自体は、当然のことであり、心理的瑕疵及び売主や仲介業者の説明義務が当然に認められるものとは判断できない。
     そして、人が死亡した事実が心理的瑕疵に該当するか否かに関して具体的な法規制は存在しないため、心理的瑕疵の有無については、事案毎に、自殺・殺人の場所・事情、当該土地建物の状況、事故発生から売買までの経過期間、当該不動産の利用目的及び地域性等の諸般の事情を考慮の上で判断せざるを得ない。
     また、自然死・病死の事案であっても、遺体が数か月放置されて腐乱死体となって発見された場合や、マスコミに取り上げられたような場合(例えば、母親が病死し、その子(障害児)が餓死したようなケース)については、例外的に事件性があるものとして心理的瑕疵や説明義務が認められる可能性もあるものと判断される。
     なお、心理的瑕疵に該当するか否かにかかわらず、入居者の死亡により汚損等が発生した場合には、賃借人等が原状回復義務を負う場合もある。
  • 【販売する建物の商品名が相手方業者の有する商標権を侵害するとして、損害賠償請求等を求められた事件】第一審和解成立
  •  住宅販売業者が、自社の商品たる建物に特定の名称(以下、「本件標章」という。)を付し長年に渡り販売していたところ、相手方業者より、同商品名の使用が相手方の商標権(以下、「本件商標権」という。)を侵害するとして多額の損害賠償請求等を求められた事件。
     当方は、本件標章と本件商標権とが一部で共通する部分があるものの、共通しない部分が本件商標権の要部であるため、そもそも、本件標章と本件商標権とは類似しないと主張した。加えて、当方は、本件商標権の出願が行われる以前より本件標章を使用していたのであるから本件標章の使用は先使用権に基づき認められること、本件標章を主にモデルルームの名称として使用しているところ当該使用は本件商標権の指定役務と類似する役務に基づく使用ではないこと等を主張した。
     その結果、本件標章を使用しないことを認める代わりに、相手方が損害賠償を一切請求しないとの内容の和解が成立した。
  • 【インターネット上での誹謗中傷を目的とした書き込みの削除を求めた事件】
  •  インターネット上に存在するハウスメーカー・工務店に対する意見等を書き込むことを目的とした電子掲示板や、求職者を対象とした企業評価等を書き込むことを目的とした電子掲示板において、依頼者である業者を誹謗中傷する書き込みが繰り返し行われた。
     上記電子掲示板上の書き込みを削除するために、当方は、同電子掲示板の管理者であるプロバイダーに対し、当該書き込みが虚偽の事実を含むとともに、名誉毀損ないし信用毀損に該当する違法な書き込みであること等を理由として、早急に同書き込みを削除するよう請求し削除させた。
     なお、インターネット上での誹謗中傷には、気△詁団蠅凌擁や会社に対する嫌がらせ目的で、誹謗中傷を繰り返される事案【嫌がらせ型】、尭震招納板で、他の人物になりすまして誹謗中傷が行われる事案【なりすまし型】、祁納板における誹謗中傷といえるような記載を煽り、いわゆる「炎上状態」を誘導するような記載が行われる事案【炎上型】等が存在する。
      
  • 【インターネット上での誹謗中傷を目的とした匿名での書き込みを行った者の特定を求めた事件】
  •  インターネット上に存在する匿名で書き込みを行うことが可能な電子掲示板において、匿名で、依頼者である業者を誹謗中傷する書き込みが繰り返し行われた。
     上記書き込みを削除するだけではなく、今後新たに誹謗中傷たる書き込みが行われることを防ぐため、当方は、匿名での書き込みを行ったものを特定するため対応した。
     

弁護士紹介

HOME

前のページへ戻る

ページの先頭へ戻る