設計
設計関係争訟

委託者から設計監理業務を受託した設計事務所が予算内で建築できるような設計をしなかったと主張して,設計事務所に対して既払の業務報酬金の返還を求めた損害賠償請求事件,及びそれに対して設計事務所が追加変更設計を行った業務報酬の支払を求めた業務報酬支払請求事件

本件では,①予算の上限を示された設計業務委託契約において予算の上限を超えた場合の債務不履行等の有無(本訴),②一旦,設計図書完成後(設計事務所の認識)に追加修正した業務の有償性(反訴)などが争点となった。 裁判所は,①について,設計事務所が委託者から予算の上限を示されていたにもかかわらず,それを超える設計図書を作成したとしても,委託者からの「予算は最重要であり,聞いていた説明や契約内容と違う」という主張に対して,設計事務所の「ここから,VE等で,予算も含めて設計内容を調整していくのであり,その費用対効果を委託者が判断して増減を加えることが設計である」との反論を受け入れ,委託者の請求を棄却した。②については,「設計事務所の主張するVE等の調整による追加修正業務は当初設計契約に含まれる」という判断で,設計事務所の請求が棄却された(和解的判決)。設計事務所は,防御的反訴の案件であったため,費用対効果を考え控訴せず,委託者は控訴したが,その後取り下げられ終結した。