吉川 幹司
弁護士
パートナー東京事務所
建売住宅の販売等を業とする業者は、購入した土地(本件土地)の隣地所有者との間で、筆界確認を行う際、本件土地内にゴミ置場を設置する旨の覚書(本件覚書)を締結したところ、隣地所有者が業者に対し、本件土地と隣地に跨るゴミ置場の設置の要求及び損害賠償請求等を行った事案。業者の被告訴訟代理人として訴訟を追行した。
本件覚書の文言からは、業者がどのような義務を負担することになるのか必ずしも明らかではなかったため、本件覚書締結に至るまでの当事者間の一連のやり取りに関して詳細な主張を行った。
その結果、裁判所は、当事者間の一連の交渉経緯を考慮すると、本件覚書では、業者が本件土地上に建売住宅を建設することを条件に、業者がゴミ置き場設置の義務を負うと認定した上で、本件では、業者が本件土地上に建売住宅を建設することなく本件土地を転売していたため、業者は本件覚書により何らの義務を負わないとして、隣地所有者の請求を全面的に棄却した。
本件を担当した弁護士