吉川 幹司
弁護士
パートナー東京事務所
駐車場敷地の所有者が、同駐車場の経営者より、仮に、駐車場の収益が発生しなかった場合、舗装工事費用を駐車場敷地所有者が負担するとの内容による立替払合意が存在することを理由として、舗装費用の負担を要求された事案。駐車場敷地所有者の代理人として訴訟を追行した。
駐車場経営者は、駐車場敷地所有者との間で舗装工事費用の負担に関する合意をした後、舗装工事を行ったが、駐車場の収益が上がらず、舗装工事費用の負担を余儀なくされていると主張した。
これに対し、駐車場敷地所有者は、単に敷地を提供しているにすぎず、駐車場経営には、一切、関与していない以上は、駐車場敷地所有者が駐車場の舗装工事費用を負担する内容の合意を行うはずはないことを主張した。
その上で、駐車場敷地所有者は、駐車場の利用状況を撮影した写真、定期的に駐車場を利用している団体が存在することを示す資料及び駐車場経営者との間で継続的な利用契約を締結している他業者が存在することを示す資料等を提出することで、駐車場の客観的な利用状況を明らかにし、そもそも、舗装工事施工後において、駐車場の収益が下がったとの事実は存在しないと主張した。
その結果、裁判所は、舗装工事費用の負担をするとの合意は存在しないことを認めた上で、駐車場経営者の請求を棄却した。
本件を担当した弁護士