設計
設計業務に関連した行政対応

宗教施設について、確認申請取消が求められた事案

指定確認検査機関において、宗教法人の建築物について建築確認処分をしたところ、当該建築物の周辺住民らから、当該処分が建築基準法48条1項に違反するなどとして、処分の取り消しを求めてきた事案である。当方依頼者は指定確認検査機関である。
本件では、原告適格と処分の適法性が主たる争点となっているところ、原告らのうち、本件建築物から直線距離で約270メートルの場所に所在する原告については、原告適格を否定した。
また、処分の適法性については、「神社、寺院、教会その他これらに類するもの」に該当するとして建築確認申請がなされている点について、原告は、多数の人間が集散することにより近隣の居住環境を悪化させるなどとして、建築確認処分は法48条1項に違反すると主張したが、裁判所は、「当該建築物が法48条により建築を制限される建築物であるかどうかを判断するに際しては、建築主が提出した確認の申請書に基づき、当該確認の申請書の主要用途欄に記載された用途が当該建築物の主たる用途であるかどうかを、当該確認の申請書の主要用途欄の記載を始めとして当該建築物の用途を示す目的でされた記載を中心に添付書類を含む申請書の記載に照らして客観的に判断すれば足り、当該確認の申請書の記載を離れた他の事情を考慮してこれを判断することまでは要しない」として、かかる主張を排斥した。