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PM社が景品表示法違反の表示をした場合に措置命令の対象となる事業者の検討

第1 検討事項
貴社のPM社(アパマン社)が景品表示法違反の表示をした場合に、貴社は措置命令の対象となるか。換言すると、貴社はPM社による表示(以下「本件表示」といいます。)の表示主体と判断されるかを検討します。

第2 検討
1 要件該当性
事業者が景品表示法に違反しているといえるためには、「事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。」(景品表示法5条柱書)との規範に反していることを要することになります。そこで、景品表示法の適用に当たっては、「自己の供給する商品又は役務の取引について」に該当するか(自己供給要件)、「表示をした」といえるのか(表示行為要件)、の二つの問題を検討することとなります 。

【景品表示法5条柱書】
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。


⑴ 表示行為要件
「表示」とは、「情報を伝達すること(現実に人目に触れるようにすること)」ではなく、「表示内容の決定に関与すること」と解されています。これは、①「自ら又は他の者と共同して積極的に表示の内容を決定した」こと、②「他の者の表示内容に関する説明に基づきその内容を定めた」こと、③「他の事業者にその決定を委ねた」ことであるとされています。②の「他の者の表示内容に関する説明に基づきその内容を定めた」とは、「他の事業者が決定したあるいは決定する表示内容についてその事業者から説明を受けてこれを了承し、その表示を自己の表示とすることを了承した」ことをいい、③の「他の事業者にその決定を委ねた」とは、「自己が表示内容を決定することができるにもかかわらず他の事業者に表示内容の決定を任せた」ことをいいます。したがって、例えば、大規模小売業者が、テナントの表示作成に個別的に関与していなくとも、表示内容の決定を包括的にテナントに任せていれば、「表示をした」こととなり得ると解されています。
本件表示について、貴社からいただいたメール文面によりますと、貴社は本件キャンペーンの主体ではなく、そのため、キャンペーンを継続するかどうか決定事項ではないとのことですが、本件キャンペーンは貴社が実施するものとも読み取れます。仮に、貴社が本件キャンペーン及び本件表示の内容を決定することができる立場なのであれば、上記②または③に該当し、表示行為要件を充足する可能性があります。

⑵ 自己供給要件
 自己供給要件に該当するか否かは、過去の事案について、取引類型ごとに整理されています。本件表示にかかる本件キャンペーン上の貴社とPM社との関係に該当する類型は整理されておりませんでした。そこで、類似事案として、ホテルの運営を委任していた類型を検討します 。
 ホテルの運営について消費者向け役務の一切を別会社に委任しているとの認定の下で、ホテルのレストランのメニューの不当表示について、ホテルの業務委託をしている事業者がサービスを供給しているとされた事案として、近畿日本鉄道(株)に対する件 、(株)阪神ホテルシステムズに対する件 があります。なお、これらの事案では、ホテル運営を受託していた事業者には措置命令は行われておりません。
 本件表示について、貴社が賃貸不動産について、消費者向け役務の一切をPM社に委任していると判断された場合、上記ホテルの類型と同様に、貴社が供給する役務に該当し、自己供給要件を充足する可能性があります。

⑶ 小括
以上より、本件表示について、貴社は表示主体と判断されるリスクはあります。

2 措置命令の対象
上記1において、貴社が表示主体であると判断された場合でも、必ずしも措置命令の対象となる訳ではありません。
消費者庁等が措置の内容を判断する際に、本件のような不当表示事件では、違反被疑事業者の規模、問題となる表示による一般消費者の誤認の程度、誤認に係る商品の市場規模などが勘案されていると考えられています 。
本件の場合、上記各要素のみを踏まえますと、貴社およびPM社の規模は大きく、期間限定であると誤認する程度も大きく、また、賃貸不動産の市場規模も大きいといえます。もっとも、貴社が直接の表示主体ではないことを踏まえると、貴社が措置命令の対象となる可能性は高いとまではいえませんが、そのリスクはあると言わざるを得ません。
以上

本件を担当した弁護士

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