住宅・建築
住宅・建築関係争訟

建築工事に際して隣地を使用したことに関し、隣地の賃借人から使用相当損害金及びアスファルトを破損したことによる損害賠償請求がなされた事案

建物を建築するにあたって、施工業者が隣地(駐車場)を使用していたところ、隣地の賃借人から、使用を許諾していないなどとして、施工業者に対し、使用相当損害金の請求とともに、建築に使用した重機によってアスファルトが破損したなどとして、アスファルトの再舗装にかかる費用を損害賠償された事案である。
 本件では、工事開始前から、ある程度アスファルトに影響を与える可能性があったことは確認されており、施工業者と施主との間では、請負代金額に隣地に対して一定額の補修費用を支払うことを前提として見積書が作成されていたため、交渉段階においては、同額の支払を限度に協議が実施されたが、相手方が金額面に納得しなかったため、訴訟が提起されることとなった。
 当職は、因果関係の点について徹底的に争い、どの傷が、いつ、どのように付着したものかについて相手方に詳細な立証を求めるとともに、使用相当損害金についても、隣地使用については、明示ないしは黙示の合意があったことを強く主張した。
 最終的に証人尋問が実施されたが、尋問を経て、裁判所は、相手方において因果関係を立証するのは困難と判断した結果、和解勧告がなされた。
 そして、上記のとおり、施主との間で隣地に対して一定額の補修費用を支払うことを前提に請負契約を締結していたことから、当初から支払を予定していた金額を解決金として支払うことで双方納得の上、合意した。

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