住宅・建築
瑕疵担保責任・契約不適合責任

給水管からの漏水について不法行為責任を問われた事案

土地付建物の売買契約に関し、買主が、建物の給水管から漏水が発生したことに関し、同瑕疵が建物としての基本的安全性を損なう瑕疵に該当するとして、売主に対して不法行為責任等を請求した事案である。当方は、売主側代理人として対応した。
本件では、訴訟提起前に売主による給水管の補修工事が実施されているという認識であったことから、原告に対して、❶瑕疵現象の存在(瑕疵の有無及び建物の被害)、❷損害論が原告が主張する瑕疵現象と整合していないこと等を中心に反論を展開した。
裁判所は、「現時点において本件建物に本件瑕疵が存在するということはできない。」とし、また、損害論についても、「(原告が主張する各種費用について)各工事が必要とされる部分にどのような事象が生じているのか、また、それが本件瑕疵を原因とするものであるのかについては何らの主張立証もない」、「補修を要するような被害が残存していると認めるに足りる証拠はないというべきであり、現時点において、本件建物に本件瑕疵による被害が生じていると認めることはできない」として、買主の請求を排斥した。

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