不動産取引
不動産取引関係契約

築25年経過した中古物件からの雨漏り被害に対応した事案

 Xは,土地建物を競落し,全体的にリフォームをした上で,Yに対して販売しました。
 そうしたところ,引き渡しから半年もたたないうちに、雨漏れがするようになりました。Yにて調査をしたところ,建物に葺かれていた瓦のところどころにヒビが入っており,そこから雨水が浸入したとして,Yは,自ら手配し,瓦の全面葺き替えを行いました。
 しかし,その後,雨漏りがするような建物の売買契約は,瑕疵担保責任に基づく解除権によって終了した,との主位的主張のもと,売買代金全額の返金と,諸費用の賠償を求めた請求と,予備的主張として,瓦の葺き替え等に要した費用の損害賠償請求を求め,訴訟提起されました。
 主位的主張に関しては,瓦の葺き替えによって,不具合も解消したとして、契約目的付達成とまでは言えない,として,裁判所も認めない心証を持っていましたが,瓦の葺き替えの費用に関しては,どこまでを売主側で負担をするべきか,との点が争点となりました。この点,X側からは,瓦を新調したことによって,Y側にも利益が生じているとして,損益相殺と同趣旨の主張を行ったところ,裁判所も,そのロジックに賛同を示し,最終的には,売主側であるXにて,瓦葺き替えの半額程度を負担する,との内容で和解が成立しました。

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