住宅・建築
工事請負契約

発注者の名板貸責任が認められた事案

 A社が、Bという個人の大工に、一棟丸請で発注した新築請負工事契約において、さらにBがC社に対して、一部工事を外注したという事案において、BはC社に発注をする際に、A社から交付を受けた「A社のB」との記載のある名刺をC社に対して交付していたため、C社は、A社に対して請求書を出していました。A社及びBは、C社に対してこのような形態で複数の工事を発注していましたが、それらの工事のうち、一部の工事に関しては支払いがあったのですが(請求書はA社に対して送付していたが、支払の振込みをするのはBでした。)、500万円余りの請負代金が支払われなかったことから、C社は、A社を相手方として、訴訟を提起しました。
 A社に対する請求原因として、主位的に①C社との間の契約当事者はA社であることから、請負契約に基づく報酬請求権が存在するとの主張を行い、予備的に②A社の名板貸し責任、③表見代理責任、④A社の使用者責任、⑤A社の不法行為責任を主張しました。
 これに対してA社側は、C社との間の契約の当事者はA社ではなくBであった、A社はBに対して「A社のB」という名刺は交付したが、Bに対してA社名義で営業をすることは許諾していない、そして、そのことにつきC社は悪意・重過失があった等と主張の上、当方の請求を全面的に争ってきました。
 第一審の裁判所は、当方の請求のうち、②の法律構成である名板貸し責任が認められるとして、請求を全額認容する判決を出しました。
 なお、相手方は、上記一審判決を不服として控訴しましたが、控訴は棄却され、東京高裁においても一審判決の判断が維持され、同判決が確定しました。

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